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フィンテック領域で活用されるAR技術とは?金融での活用事例を紹介

フィンテック領域で活用されるAR技術とは?金融での活用事例を紹介

フィンテックは日本では2015年頃より本格的に注目されはじめた分野ですが、現在では、金融とAIやブロックチェーンといった最先端テクノロジーは、不可分の関係にすらなっていると言えます。ARも同様です。本記事では、まずフィンテックについておさらいをした後に、フィンテック領域で活用されるAR技術について、具体的なサービス事例を交えながらご紹介していきます。

テクノロジーを活用して、金融機関をはじめとする「お金まわり」の業務や生活、行動習慣などを構造的に革新する「フィンテック(FinTech)」サービス。日本では2015年頃より本格的に注目されはじめた分野ですが、現在では、金融とAIやブロックチェーンといった最先端テクノロジーは、不可分の関係にすらなっていると言えます。

ARも同様です。本記事では、まずフィンテックそのものについておさらいをした後に、フィンテック領域で活用されるAR技術について、具体的なサービス事例を交えながらご紹介していきます。

なお、ARの概念について詳しく知りたいかたは、以下の記事もご参照ください。

ARとは? VR・MR・xRとの違いやビジネスでの活用を解説!!

おさらい:フィンテック(FinTech)とは

日々ニュースなどで目にするフィンテックという言葉ですが、その定義は何なのでしょうか?日本銀行のページをみると、以下のように記載されています。

FinTech(フィンテック)とは、金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語で、金融サービスと情報技術を結びつけたさまざまな革新的な動きを指します。身近な例では、スマートフォンなどを使った送金もその一つです。

引用:日本銀行「FinTech(フィンテック)とは何ですか?

ここでいう情報技術とは、先述したAIやブロックチェーンはもちろん、クラウド技術や5Gのような通信インフラなども含まれます。また、スマートフォンをはじめとするデバイスの進化も、フィンテックの進化を後押ししているといえるでしょう。

なぜフィンテックが注目されているのか?

それでは、なぜフィンテックはここまで注目され、またさまざまなサービスが勃興しているのでしょうか。以下、3つの要因をお伝えします。

スマートフォンの爆発的な普及とデジタルネイティブの存在

最も大きな要因は、スマートフォンの爆発的な普及にあると言えます。たとえば「〜Pay」のような決済サービスが開発されたとしても、コンビニなどの決済場面で使えなければ意味がありません。スマートフォンが普及したことで、人々は自然とネット決済のメリットを教授できるようになりました。

金融包摂への期待

フィンテックの躍進要因は、「金融包摂(ファイナンシャル・インクルージョン)」への期待感もあります。金融包摂とは、貧困や難民などにかかわらず、誰もが金融サービスにアクセスする機会があることです。先述したデバイス価格の低下や、インターネット網の普及によって、これまで金融サービスにアクセスできなかった人でも、たとえば銀行口座を開設したり、株への投資などを始めることができるようになりました。

これは発展途上国だけの話ではなく、日本においても、相対的な貧困家庭や信用情報の足りないフリーランスなどが同様の課題を抱えています。だからこそ、上述の該当者にとってフィンテックは大きなチャンスにつながると期待されています。

政府からの支援

多くのX-Tech領域(アグリテック、プロップテック、HRテック etc…)のなかでも、フィンテックは特に、政府からの支援が豊富です。

所管省庁は「金融庁」。同庁ではフィンテック黎明期の2015年12月に、FinTechに関する一元的な相談・情報交換窓口「FinTechサポートデスク」を設置しており、スタートアップから大企業までフィンテックサービスを展開、もしくは検討している事業者のサポートを行なってきました。

また、2017年9月には、フィンテック企業や金融機関などが、前例のない実証実験を行おうとする際に抱きがちな懸念点を払拭するための「FinTech実証実験ハブ」も設置しており、より多くの良質なフィンテックサービスが生まれるための土壌を整備しているといえます。

注目のフィンテック領域

次に、具体的なフィンテックサービスが提供されている領域をご紹介します。

暗号通貨

フィンテックが一般層へと認知が広がっていった最大の要因が、この「暗号通貨」、別名「仮想通貨」だと言えます。暗号通貨は主にブロックチェーンと呼ばれる暗号技術を応用させたテクノロジーを活用しており、通貨機能を果たす電子情報として構築されているものです。代表的な暗号通貨としては、ビットコインやイーサリアムなどが挙げられます。

クラウドファンディング

やりたいことを実現するべく、ネット上でお金を募集する行為がクラウドファンディングです。資金がなく、金融機関上の信用がなく、銀行融資を受けにくい場合でも、クラウドファンディングで資金調達ができるようになったという観点で、金融包摂型のフィンテックサービスだと言えるでしょう。

個人財務管理(PMF)

家計レベルの支出管理や、金融機関の資産管理などを、スマートフォンなどのデバイスで簡単に管理できるのが、個人財務管理、通称「PMF(Personal Financial Management)」です。さまざまな金融サービスとのAPI連携(※)によって、管理の自動化を進めることができるのが、PMF活用の醍醐味だと言えます。

※API連携:Application Programming Interfaceの略称で、あるプログラムを外部から呼び出して活用できるようにする仕様のこと。新しくゼロから機能を開発しないでも、APIを活用することで、簡単に他のサービスと連携して該当機能を実装することができるようになる

決済

先述した「〜Pay」のようなスマートフォンアプリで、簡単にキャッシュレス決済ができるようになったのも、フィンテックの恩恵の一つです。

現金よりはやく決済ができ、ポイントが貯まりやすく、誰がどんな商品に対して支払いをしたのかという取引データも簡単に管理できます。数年前より経済産業省も、「キャッシュレス・ビジョン」を掲げて政策を推進していることから、キャッシュレス決済はこれからますます浸透していくことが予想されます。

資産運用・投資支援

テクノロジーの進化は、個人の資産運用や投資支援領域にも影響します。これまでは機関投資家しか把握できなかったような複雑な投資傾向などを、AIによる過去チャートの学習によって、一般投資家でも享受できるようになりました。また、個人に応じた資産運用方法もAIがリコメンドしてくれるため、難しい投資や資産運用の理論を知らなくても、ハードルを下げて実施できるようになりました。

ソーシャルレンディング

ソーシャルレンディングとは「貸付型クラウドファンディング」とも呼ばれており、お金を貸したい人と借りたい人をネット上でマッチングさせるサービスです。手数料が銀行ほどかからないため、貸し手にとっては高利回りの資産運用ができる点が、借り手にとっては低金利で融資を受けることができる点が、それぞれ注目されています。

ARを活かしたフィンテック事例

以上のようなフィンテック領域に対して、ARはどのように活用できるのでしょうか?以下に、2つの切り口と具体事例をご紹介します。

銀行顧客の利便性向上

まず、金融機関を使う一般利用者の利便性向上があげられます。AR技術を使うことで、情報の発見や検索性向上が見込まれます。以下に3つの具体事例を記載します。

ウエストパック銀行(ニュージーランド)

ニュージーランドのウエストパック銀行では、ARアプリを活用して、顧客の銀行口座管理をアップデートしました。具体的には、顧客がクレジットカードやデビットカードにARカメラをかざすと、現在の残高や過去2週間の支出、最も多く費やしたカテゴリなどの、各種情報を瞬時にチェックできるようになります。

オマーン国立銀行

オマーン国立銀行(NBO)では、専用のARアプリを提供しており、利用者がARカメラをかざすことで、最寄りの銀行ATMやCDM、もしくは支店の場所を視覚的にチェックできます。また、同じ要領でNBOの広告をスキャンすると、現在提供されている製品やサービスのビデオ情報などをチェックすることもできます。

CiTiグループ

Citibank(シティバンク)を擁するCitiグループでは、スマートグラス「HoloLens」を活用した株取引システムを提供しています。HoloLensを装着することで、最新の株価情報や取引データなど、さまざまな情報をリッチな視覚データとしてチェックできます。スクリーンの範囲を気にせず、視界全体に情報を配置できる点が、パソコンやタブレットなどの取引システムとの違いだといえます。

決済の利便性向上

次に、決済領域のAR活用事例をご紹介します。

Visa

グローバル決済インフラを提供するVisa(ビザ)は、2017年に開催された「Mobile World Congress 2017」において、AR技術を活用した決済ソリューションのプロトタイプを展示しました。

都市がシミュレートされた地図上でARアプリを開き、特定の場所をポイントすると、食料品店を選択できるようになります。ユーザーは該当店のメニューを開いて注文し、そのままVisaを使ってARアプリ上で即時決済をすることができる世界が明示されました。

国内の「AR × 金融」サービスはこれから

以上、今回はフィンテックのおさらいをした後に、フィンテック領域で活用されるAR技術について、具体的なサービス事例を交えながら解説しました。まだまだ国内での事例はほとんど見あたりませんが、海外では積極的にAR技術を活用しています

今後、5G通信環境の整備が進むことで、国内でも金融領域でのAR活用事例が増えることに期待しましょう。

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