AR/VR × AIでどんなことができる?組み合わせがもたらすビジネスインパクトを解説

Technology
2021.03.10 | Motto AR編集部

本記事では、さまざまな技術領域の中で最も注目度が高まっている「AI(人工知能)」とAR/VRを組み合わせることで、どのような社会実装のあり方が想定されているのかをご紹介していきます。

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テクノロジーが発達して、ARやVR、AI、IoT、ブロックチェーンといったさまざまなITバズワードが、ビジネスシーンはもとより私たちの日常生活の中の“当たり前”として使われるようになりました。多くの方がご存知の通り、日本では少子高齢化に伴う労働人口の減少トレンドが随分と前から進んでいるからこそ、こういったテクノロジーとの共存は、今後の社会生活においてますます必要不可欠なものとなってくるといえるでしょう。

それでは、具体的にどのような形で私たちの生活は変化するのでしょうか?

本記事では、さまざまな技術領域の中で最も注目度が高まっている「AI(人工知能)」とAR/VRを組み合わせることで、どのような社会実装のあり方が想定されているのかをご紹介していきます。

なお、ARやVRについての予習が必要な方は、以下の記事もご参照ください。
ARとは? VR・MR・xRとの違いやビジネスでの活用を解説!!

おさらい:AIとは

AIとは

そもそもAI(人工知能)についての解釈は、専門家の間でも千差万別であると言えます。国内だけに目を向けてみても、たとえば国内AI研究の第一人者である東京大学の松尾豊教授は「人工的につくられた人間のような知能、ないしはそれをつくる技術」と表現していますし、一方で ALife研究者の第一人者である東京大学の池上高志教授は「自然にわれわれがペットや人に接触するような、情動と冗談に満ちた相互作用を、物理法則に関係なく、あるいは逆らって、人工的につくり出せるシステム」 と表現しています。

具体的な技術内容としては、2000年代から現在にかけて起きている第3次AIブームとして注目されている「機械学習」と「ディープラーニング」の2つが、代表的なものとして挙げられるでしょう。本記事ではこの2つだけ、しっかりと押さえておきましょう。

機械学習とは

機械学習とは、コンピューターに大量のデータを学習させることで、対象物の予測や分類を可能にするモデルやラベリングなどのアルゴリズムを、自動で構築できる技術になります。

人間では見つけることのできない、観察対象の特徴を数量化したデータ(以下、特徴量)などを抽出できる技術として、実は1960年代より研究が進められていた領域ではありますが、コンピューターの性能が飛躍的に向上してきた現代だからこそ、実用化が進み、広く一般に使われるようになってきたといえます。

ディープラーニングとは

今ご紹介した機械学習では人の手で特徴量を与える必要がありましたが、2000年代後半に発表されたディープラーニング技術では、学習に必要なビッグデータを未加工のままで投入しても、そのままコンピューターが自動的に特徴やパターンを見つけ出してくれるようになりました。

これは、人間の“脳”の構造を参考にしたニューラルネットワークの「隠れ層」を複数にすることで可能になっており、人が介入するよりもより高精度な認識が可能になったことで、画像認識や音声認識、自然言語処理などの研究領域が飛躍的に進化していくことになりました。

AR/VR × AIで行われてきた議論

ARとAIの議論

ここまで見てきたAI技術は、さまざまな周辺技術と組み合わせることで、その効果を十二分に発揮することになります。

そもそも、この領域はどこまで議論が進んでいるのでしょうか?例えば、雑誌『Wired』誌の創刊編集長であるケヴィン・ケリー氏は、著書である『〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則』(NHK出版)において、「INTERACTION(以下、インタラクション)」と「COGNIFYING(以下、コグニファイ)」という重要な概念を提示しました。インタラクションを代表する技術がVRであり、コグニファイを代表する技術が人工知能(AI)だというのです。つまり、この2つの技術活用が進んでいくことで、私たち人間は近い将来、自分たちの五感だけでは認知し得ないような「拡張された認知」を獲得することになる、というのです。

振り返ってみると、VR/ARはまさに、人の視覚情報を拡張してきたといえるでしょう。VRではHMDを通じた仮想世界内に身を没入させることができ、またARは視覚上に必要なデジタルコンテンツを配置して、目からの情報処理をサポートしています。今後、さらにMR(Mixed Reality)が発達していくことで、人々の視覚経由での情報処理能力は、さらに飛躍的に高まっていくことが想定されます。

AR/VR × AIの実用化イメージ

AR・VRとAIの実用化

それでは具体的に、AR/VR と AI の組み合わせで、どのような実用化事例が考えられるのでしょうか?以下、大きく2点として、コンテンツの描画とリコメンドに着目して解説します。

エッジ領域でのAI活用を活かす

まず一つ目の実用化ケースとして、工場といった製造現場にあるカメラなど、エッジ領域への組み込みが挙げられます。いわゆる「エッジAI」と呼ばれるもので、一般的なクラウド上でデータ処理されるAIではなく、カメラの筐体そのものにAI処理がなされるチップを実装することで、撮影した映像をそのままカメラ内で解析することを可能とする実装形態です。

このエッジAIの考え方を、VRのHMDやARグラスなどに搭載することが、近い将来に起こりうるイノベーションだと考えられます。例えば、AIベースの超解像度によるリアルタイムレンダリング画像を、ARやVRのデジタルコンテンツとして表示することによって、人々は自身がとったアクションに応じたリッチなデジタルコンテンツを、違和感なく視覚情報として受け取れるようになることが想定されるでしょう。

背景には5Gの発達がある

これらの実現には、大量データのやり取りが可能となる情報通信網の整備が必要不可欠だといえ、2020年から本格スタートした「5G」サービスの導入は、まさにこのAR/VRとAIの連携を加速させる環境要因になると考えられます。

5Gは、従来の4Gに比べて通信速度が速く、大容量通信を実現する規格です。5Gが普及することで、動画やゲームコンテンツの品質向上はもとより、コンテンツサービスのクラウド化や双方向通信が容易になり、360°動画をはじめとするリッチなコンテンツのリアルタイム配信が可能になるといえます。

ここにAI技術を組み合わせることで、大規模サイズのデジタルコンテンツの双方向でのやり取りがシームレスに行えるようになり、また先ほどのエッジAIの要素も加わって、人々の認知を大きく拡張していくことになるでしょう。

AIによるリコメンド分岐も

ここまでは主に、AR/VRの「描画」についてのAI活用についてお伝えしましたが、これ以外にもう一つ、VR-HMDやARグラスなどに表示させるデジタルコンテンツを、AIによる消費者の好みの分析結果に応じてパーソナライズさせる、といった実用化ケースもあります。

AIによるコンテンツ表示のパーソナライズは、すでにアドテクノロジー(広告技術)の領域で活発化しています。日常生活での装着が期待されるARグラスが、スマートフォンのように日常的に使われるデバイスとして浸透・普及した際に、自然とAIによってリコメンドされる広告を含める様々なデジタルコンテンツを、現実世界に重ねる形で享受することができるようになると想像されます。

AR/VR × AIはこれからのテーマ

以上、今回はAIとAR/VRを組み合わせることで、具体的にどのように実用化するのかについて解説していきました。 まだまだ模索中のテーマということもあって、具体的な社会実装事例はこれから順次出てくると思われます。人の認知を拡張するホットなテクノロジーとして、この組み合わせの今後に期待しましょう。

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