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アウトソーシングテクノロジー 「ボトムアップ型の改革に取り組み 業務現場のスピーディなDXを推進」〜DX Insight講演レポート〜

アウトソーシングテクノロジー 「ボトムアップ型の改革に取り組み 業務現場のスピーディなDXを推進」〜DX Insight講演レポート〜

現場を取り巻く状況がめまぐるしく変化する製造業では、業務改善のためのシステム開発に多くの時間をかけられない。そこで有効になるのが、直面している課題を速やかに解消に導く“現場発信型のDX”だ。アウトソーシングテクノロジーは、そのために必要なDX人材とノウハウを提供。事前診断から“アフターDX”までカバーするトータルサービスで企業のDX推進を後押ししている。 講演者 株式会社アウトソーシングテクノロジー ソリューションサービス事業本部 イノベーションプラットフォーム部 シニアDXコンサルタント 峯尾 岳大氏(写真)

現場の業務改革にはスピーディな仮説検証が必要

あらゆるビジネス環境のデジタル化が加速する中、IT人材の不足がますます深刻になっている。「質の高いIT人材をいかに確保するかは多くの企業にとって切実な問題です。ただし、人さえ集めればDXが進展するわけではありません。現場の業務プロセスを変革するための最適なソリューションを見出し、その運用を続けながらさらなる改善を重ねなければ、本当の意味での改革は実現できないからです」。こう話すのはアウトソーシングテクノロジーの峯尾 岳大氏だ。

2004年の設立時から技術者の派遣に特化した人材サービスを行ってきた同社は、長年の人材支援事業によって得た豊富な知見を基盤に、業務現場の課題解決に最適なテクノロジーをマッチングしてその運用をサポート。「DX 人材の提供」と「ソリューションの提供」の両面で企業のDX推進を後押ししている。

ITシステムの開発には、数年単位の時間を要するのが一般的だ。しかし業務現場の状況は日々刻々と変化するため、システムが稼働を開始したときには新しい課題に対応できなくなっている恐れがある。

「そうした事態を防ぐため、私たちは短期間で解決策のプロトタイプを提示し、業務現場の意見を吸い上げながらスピーディに仮説検証を実行。手にとって動かせる実物を基にして議論をすることで、実質的な解決策へと議論を加速させます」と峯尾氏は語る。

物流現場の業務プロセスを最適なソリューションで改革

その一例が、京セラの物流部門におけるDX支援だ。京セラではコロナ禍となったのを機に、物流業務の見直しを検討。製品の納入から、受入チェック、入荷登録までを行う「受入業務」、出荷指示からピッキング、検品、外装梱包、出荷までを行う「出荷業務」が今回見直しの対象とした主な業務となる。従来の受入業務では、ハンディスキャナで読み込んだ入庫品データを事務所でCSVファイルにして照合し、入庫予定リストと合致しないものがあった場合は担当者が倉庫に戻って再確認していた。一方の出荷業務においては紙の出荷リストに従ってピッキングされていたが、誤発送などの防止のためピックアップした品物が正しいかどうかを人の目でダブルチェックしなければならず、非効率であった。

その課題解決に向けてアウトソーシングテクノロジーが提案したのが、ウエアラブルデバイスやスマートフォンによって、手順の表示や情報の入力を可能にし、作業現場のワークフローを管理するARソリューション「TeamViewer Frontline」の活用だった。受入業務では、ハンディスキャナに替わってリングスキャナで読み込んだ入庫品のバーコードデータが作業者の装着したスマートグラスに転送され、入庫予定リストと実際の入庫数量が合致しているかどうかを自動的に確認。出荷業務においても同様に、スマートグラスとリングスキャナを活用することでデータ照合がなされるようにし、人がダブルチェックをする必要をなくした(写真)。

ARソリューションの活用で入出庫業務を改善スマートグラスやリングスキャナなどを駆使して物流部門の受入業務と出荷業務のワークフローを管理。読み込んだ品物のデータと受入・出荷予定のデータとの照合作業を自動化した

京セラでは今後大量の定年退職者が出ることを踏まえ、会社の将来を担う多数の若手社員を参画させて物流部門のこの業務改革プロジェクトを推進。現在、6カ月間の導入検証トライアルを行っている最中で、本格的な稼働開始後は出荷業務の作業時間が15%削減されると想定され、複数の拠点への横展開も検討されている。

重要なのは現場担当者が変革後の作業をイメージできること

京セラの物流部門が業務変革にスピーディに着手できた要因として、「構想を描いてからシステムを構築するのではなく、『実際に動くアプリケーション』=実作業を想定したプロトタイプを用いることで、作業がどう変わるのかを素早くイメージできたことが挙げられます」と峯尾氏はいう。

「業務現場の課題は直ちに解消されることが望まれます。この事例が示すように、製造業の現場では実作業を担う方に解決策のプロトタイプを試してもらい、現場のリアルな意見を吸い上げながらボトムアップ型で仮説検証サイクルを回すことが重要です」(峯尾氏)

ただし、的確なソリューションを見出し、プロトタイプを用意することは容易ではない。また、導入検証トライアル期間中は、実環境の中で見えてくる課題の抽出・改善を行い、本格的な運用や全社展開に向けたロードマップが作成されることになるが、その作業は一定の専門性と経験を必要とする。「その点、当社では多様なソリューションを熟知したエンジニアや、要件定義や効果測定に長けたコンサルタントがプロトタイプの作成を支援しています」と峯尾氏は語る。

状況の変化に応じて改善を続ける“アフターDX”も不可欠

また、DXは一度大規模な改革をしたからといってそれで完了するものではない。現場の状況はめまぐるしく変化するため、DX後の仕組みの中で得られるデータに基づいた改善活動を継続することが不可欠だ。

そうした“アフターDX”に際しては、これまで中央集約型で動いてきた情報システム部門の担当者が業務現場に分散して入り込み、システムやアプリケーションのインストラクションやカスタマイズを担うことも必要になる。

「従来のアウトソーシングサービスは、『現在の仕組みをそのまま外注する』ものでした。今後は委託業務内の業務プロセスを適切なソリューションを活用しながら効率性や正確性までも高めていく『DXアウトソーシングサービス』も出てくるのではないでしょうか。当社もこれまでの知見を生かし、その担い手となってまいります」(峯尾氏)

これに加え、同社では「DXをどう進めるべきか分からない」と悩む企業に対して、診断項目への回答結果を基に、必要な戦略策定や体制整備のポイントを可視化する「DXポテンシャル診断」も提供。アウトソーシングテクノロジーは人材育成からソリューション提案、導入支援とアフターサポートまで含めたトータルサービスによって、デジタル企業への変革と新しい価値創出を力強く支援している(図)。

製造業プロセスのデジタル化の一例
アウトソーシングテクノロジーでは、コンサルティングからAR/MR、RPAなど、様々なサービスメニューをラインアップ。様々なフェーズで製造業のDXを支援している

※こちらのDXInsight講演記事は日経社より許可を得て転載をしております。

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