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マーケティングにARを活用して、顧客価値を創造。MarTech × xRが実現する未来を解説

マーケティングにARを活用して、顧客価値を創造。MarTech × xRが実現する未来を解説

経営学の権威であるピーター・F・ドラッカーは、企業の目的は「顧客の創造」にあると定義し、そのための機能の一つとして「マーケティング」を挙げました。 「MarTech」はマーケティングとテクノロジーと掛け合わせた領域を表すテック分野のことで、常に進化を続けています。 今回は、MarTechのなかでも特に、ARを活用したマーケティング手法について、具体事例をご紹介します。

経営学の権威であるピーター・F・ドラッカーは、著書「マネジメント」にて、企業の目的は「顧客の創造」にあると定義し、そのための機能として「マーケティング」と「イノベーション」の2点をあげました。ここでいうマーケティングとは、「顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにすること」だと、本には記されています。

そんなマーケティング領域にもテクノロジーの恩恵はもたらされており、「MarTech」と呼ばれるテック分野として、日々イノベーションに向けた進化を続けています。

今回は、MarTechのなかでも特に、ARを活用したマーケティング手法について、具体事例をご紹介しながら解説していきます。

なお、ARについての予習が必要な方は、以下の記事もご参照ください。

ARとは? VR・MR・xRとの違いやビジネスでの活用を解説!!

おさらい:MarTechとは

そもそもMarTech(マーテック)とは、マーケティング(Marketing)とテクノロジー(Technology)を掛け合わせた造語です。言葉そのものは2010年代中頃に登場したと言われており、企業活動におけるあらゆるマーケティング活動にテクノロジーを活用することを示すものとして、海外を中心に浸透しています。

「デジタルマーケティング」と同義

マーケティングにテクノロジーを活用する言葉として「デジタルマーケティング」(略称:デジマ)も存在します。MarTechとデジタルマーケティングはほぼ同義と考えていただいて問題ないでしょう。

デジタルマーケティング領域をxTech(クロステック)で表現するためのものとして、MarTechという言葉があるとお考えください。

さまざまなMarTech領域

MarTechと一言でいっても、そこには多様なカテゴリーと、非常に多くのサービスが存在します。上図は、マーケティング支援サービスを提供するアンダーワークス株式会社が、2020年9月に公表した「マーケティングテクノロジー カオスマップJAPAN2020」なのですが、ご覧いただくとお分かりのとおり、実に多くの分類がなされています。(詳細を確認できる解像度のPDFデータは、アンダーワークスのホームページより要ダウンロード)

ここでは、その一部として、MarTech領域例をご紹介します。

MA(マーケティング・オートメーション)

MAとは「Marketing Automation」の頭文字をつなげた略称で、マーケティング活動を自動化するためのツールを総称する言葉です。

ツールと連携するデータベースに顧客情報を蓄積し、見込み顧客のリストを一元管理して、一人ひとりの属性に応じたマーケティング施策を自動的に走らせたり、そのレスポンスを集約・分析して次なるマーケティング施策へと活かすことができるものです。

MAツールは、導入によって業務効率や生産性の向上が、最終的なKPIとして期待されているMarTechソリューションとなります。

デジタル広告管理

インターネットの普及とあわせて著しく進化してきた領域の一つが、アドテク(AdTech)、つまりは広告(Ad)テクノロジーです。多様化・複雑化する広告の配信を高度にシステム化したものです。

たとえば複数の広告を複数の媒体で出稿する場合、媒体ごとに管理画面や課金モデル、成果指標などが異なるため、管理が煩雑になります。また、複数の情報源が存在することで、施策に対する成果をまとめたレポーティングにも、多大な工数がかかることになります。

よって、広告関連の施策を実施する際は、このデジタル広告管理ツールを使用することが、現代のスタンダードであると言えます。

Web接客・CXプラットフォーム

Web接客とは、企業のWebサイトを訪問したユーザーに対して、その属性に応じたポップアップなどの情報を表示したり、ページに実装されたチャットボットを通じてFAQ対応をすることなどを示します。

たとえば後者のチャットボットについては、有人で対応するものから、分岐シナリオ設計された自動対応がなされるもの、有人と自動のハイブリッドで提供されるものなど、多様な実装方法が提供されています。

Web接客の中長期的な目的が「顧客の体験価値の向上」にあると言えるので、一人ひとりの体験をよりリッチにするCX(カスタマー・エクスペリエンス:顧客体験)プラットフォームとして機能を拡張するものも現れています。

OMOソリューション

OMOとは「Online Merges with Offline」の頭文字をつなげた略称で、オンラインとオフラインを融合させることで消費者の購買を促進する取り組みの総称となります。

たとえば店舗を考えてみると、オフラインが現実世界の実店舗を示し、オンラインがネット空間におけるECサイトやホームページなどを示します。従来では、SNSやホームページのキャンペーンといったオンライン施策を通じてオフライン店舗へと人々を促す、という動線設計がなされていましたが、OMOではそのような一方向の話ではなく、双方向を前提にした施策が考えられます。

マーケティング領域で活用されるAR

次に、MarTechのなかでもAR技術が活用される領域についてみていきましょう。

エンタメコンテンツでのAR活用

ARのマーケティング活用は、ライブや演劇といったオフラインのイベントや、水族館や美術館といった展示会場など、エンタメコンテンツでも有効です。

たとえばアートイベントにARを組み込み、作品にARをかざすことで、参加型で独自の世界をチェックできるということが、展示会そのものの魅力へと繋がり、集客に寄与することとなります。また、スマホベースでARが表示されるため、写真や画面ショットを取得するなどして、SNS拡散にも寄与するでしょう。

店舗型ビジネス支援

ARマーケティングは、飲食店やスーパーなどの小売店、ファッション販売店といった店舗型ビジネスにおいても有効活用できます。

たとえばファッション販売店については、スマホやタブレット、専用のスマートミラー(ネット接続できる鏡)を使って、手元にない洋服を自宅でバーチャル的に着せ替えして試せるといったことが考えられます。一昔前の技術では洋服画像を等身大の自分映像に当て込むだけで、実際に着た感じの様子がよく分からなかったのですが、最近ではディープラーニング技術が発達したことで、より自分の体型にフィットさせる形で表示を切り替えることができるようになっています。

瞬時に色や着用服を切り替えることもできるため、購入後のイメージをもってして購入をすることができる点が、店舗型ビジネスにおけるAR活用のポイントだと言えるでしょう。

AR広告

最後は「AR広告」です。これは文字通り、AR技術を活用して広告を表示させる仕組みになります。Webブラウザ上でARが利用できる「Web AR広告」や、InstagramなどのSNSを含むスマホアプリでARが活用できるものが挙げられます。

AR広告を利用すると、通常の広告に空間要素が加わることになるため、より内容に没入する形で消費者へと訴求することができます。

また、こちらはまだ実現段階にまで至っておりませんが、消費者に関する膨大なデータとそれらを解析した情報をもとに、表示をパーソナライズ(個別最適化)させて、より広告効果を高めるといったことも、中長期的な期待として考えられています。

MarTech × AR事例3選

最後に、MarTech × ARが実際に展開されている事例を3つご紹介します。

Media Ambition Tokyo 2021

2021年5月に六本木ヒルズ最上階の会場で開催されたテクノロジー&アートの祭典「Media Ambition Tokyo 2021」では、「HUMANITY – AR EXPERIMENTS -」というARを活用した作品が展示されました。

こちらは、インターフェースデザイナーである中村勇吾氏が手がけたPlayStation 4&PlayStation VR向けゲーム「HUMANITY」の、2021年発売予定の最新版を使った作品に仕上がっています。スマホにHUMANITYアプリをダウンロードし、六本木ヒルズ内の所定の位置で起動してマーカー認識させると、大量のバーチャル人物が六本木ヒルズを縦横無尽に歩き回る様子を楽しむことができます。

ポイントは、有料の展示会場街に、マーカーが設置されているということです。つまり、会場の来場者でなくとも作品の一部を楽しむことができるため、SNSでの拡散や、近くにいた人を会場へと来場させるような動線設計がなされていました。

IKEA

グローバル家具メーカーの「IKEA」では、「IKEA Place」と呼ばれるARアプリを提供しており、スマホ画面を通して実寸大のバーチャル家具を空間上に表示させるサービスを提供しています。精度は98%で、非常に高いと言えます。ワンタップで該当家具の寸法違いのものや、異なるカラーのものを次々と試すことができるため、購入した後の空間とのミスマッチを解消できます。

これにより、わざわざ店舗に行かずともリアル購買以上に家出の配置感をつかむことができるようになったため、オンライン販売が加速することになりました。

スコットランド

最後の事例はスコットランドです。国がARアプリを提供しているのです。

スコットランドでは「Portal AR」と呼ばれるARアプリを通じて、現地での生活を仮想的に体験できるようにしています。ユーザーはアプリによって、リアルな現地生活を確認できるため、留学をする際や移住を検討している方の生活解像度をあげることができます。

Augmented reality app for Scotland

これから本格化が予想されるMarTech × AR

今回は、マーケティング × テクノロジーであるMarTechのなかでも、ARを活用する方法について、具体事例を交えながらご紹介しました。企業のマーケティング活動は、これからますます高度化していくことが予想され、ARの本格的な活用も時間の問題だと言えます。

今のうちに、MarTech × ARのソリューションを、テスト的に導入してみてはいかがでしょうか?

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