KDDI・みずほリサーチ&テクノロジーズ・渋谷未来デザイン、メタバースの運用・利用指針を整備したガイドラインを策定

2022.05.06

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KDDI株式会社 、みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社、一般社団法人渋谷未来デザインで組織されている「バーチャルシティコンソーシアム」は2022年4月22日、メタバース/都市連動型メタバース業界の発展に向けた「バーチャルシティガイドラインver.1」を策定した。

バーチャルシティガイドラインの主な項目

同ガイドラインは、メタバースおよび都市連動型メタバースを対象としており、アバターを活用した利用者同士のコミュニケーションやユーザー主体での創作活動、実在都市と連携した経済活動の発展を視野に入れ、議論・整理を行った。
ガイドライン詳細URL:http://shibuya5g.org/research/docs/guideline.pdf

策定の背景・目的

  • 近年「メタバース」と呼ばれるインターネット上に構成される仮想空間での生活やビジネスが注目されているが、まだ発展途上である
  • 現行法において法的に保護される知的財産権の対象とならないデジタルアセットの所有権やアバターの肖像権などの「バーチャル・プロパティ」や、プラットフォーム間の相互運用性など整理すべき論点が多くある
  • 実在都市をメタバースで拡張する都市連動型ならではの景観の再現性や自治体との経済的連携といった論点などが、渋谷区公認「バーチャル渋谷」の活動を通じて明らかになった

    このような背景から、バーチャルシティコンソーシアムは他の自治体やメタバース関連事業者が参考にできるよう、関係省庁や専門家などとともに議論を行いガイドラインとして明文化した。

今後の展望

  • ガイドラインver.2に向けて、ガイドラインver.1で未整理となっているプライバシーや利用者権利の保護、メタバース間の相互運用性の確保、渋谷以外の他都市での適応に向けた整理などを継続議論していく
  • メタバース領域で業界や企業の垣根を越えて最先端の情報や世界観を広く共有するハブとなることを目的とし2022年3月に設立された一般社団法人Metaverse Japanとも連携していく
  • 行政、自治体、民間企業などで進めていくルールメイクの議論に積極的に参加していく

策定にあたり参加したメンバーのコメント

  • デジタルハリウッド大学 学長 杉山知之氏
    「2021年度は、現実の街とデジタルツインとなるバーチャルシティのさまざまな可能性が模索されると共に、知的財産権など幅広く起きうる問題についての検討が行われました。また、バーチャルシティが健全に発展するためには、倫理的なことも含めガイドラインの策定が必要ということになり、多岐にわたる検討も開始されました。近い将来、リアルとバーチャルの間をシームレスにつなぐものとしての期待が膨らみ、バーチャルシティコンソーシアムをさらに深化させていく機運が高まりました。」

  • 国際大学グローバル・コミュニケーション・センター主幹研究員 教授 研究部長 渡辺智暁氏
    「豊かで賑わいのあるメタバースを実現するための検討課題はたくさんあります。私たちの検討結果が幅広い方々の参考になり、より活発な議論、志を共にする方々との連携などにつながり、ひいてはメタバースの持っているポテンシャルをうまく享受できる社会の実現に貢献できれば幸いです。日本には3Dアバターを使いこなす豊かな文化も既に存在していますが、それらを含め、ポテンシャルがどんな風に現実のものになっていくか、個人的にも楽しみにしています。」

  • SAKURA法律事務所 弁護士 道下剣志郎氏
    「メタバースが世界的に注目され、さまざまなメタバース空間が登場し、メタバースに関するビジネスが発展してきています。そのような中、バーチャルシティコンソーシアムは、世界に先駆けて都市連動型メタバースであるバーチャルシティについて、自由闊達に議論を行ってきました。本コンソーシアムが作成したバーチャルシティ宣言およびバーチャルシティガイドラインは、バーチャルシティ特有の論点に関する理解を深めることになるのみならず、黎明期にあるメタバース自体の方向性を考える契機にもなると自負しています。」

  • KDDI株式会社/慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 特任講師 川本大功氏
    「コンテンツ産業として、メタバース市場は大いに期待しているところです。このたびは、都市連動型メタバースを検討していくバーチャルシティコンソーシアムのオブザーバーとして参加させていただきましたが、都市との連動による顧客体験の拡張は、デジタル田園都市構想とも親和性が高いものと認識しています。このたびは大変有意義な検討に加えていただき感謝申し上げます。引き続き、本コンソーシアムの検討状況や今後の動きを注視して参りたく存じます。」

バーチャルシティ宣言

ガイドライン策定において重要視する行動規範や考え方の指針「バーチャルシティ宣言」を策定し、公表した。
同宣言詳細URL:http://shibuya5g.org/research/docs/declaration.pdf

渋谷区公認 バーチャル渋谷について

  • 「バーチャル渋谷」は、KDDI、渋谷未来デザイン、渋谷区観光協会を中心に組成する「渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト」が2020年5月に立ち上げた渋谷区公認の都市連動型メタバース
  • 自治体公認のバーチャル事業としては日本初
  • メタバース事業者が一企業で企画・運営しているものではなく、渋谷に関係する複数のステークホルダーが密接に連携し、地域ごとに実在都市とメタバースが共存するためのあり方を議論するなど、実在都市と連動した仮想空間であるということが最大の特徴
  • 取り組みの収益の一部は、渋谷の街づくりの活動に還元されている
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