中銀カプセルタワー、NFT活用によるリアルとメタバース空間両方での再現を目指す
2022.07.22
LAETOLI株式会社と株式会社黒川紀章建築都市設計事務所は、現在解体中の中銀カプセルタワービルを世界で初めてリアル空間とメタバース空間の両方で再現する。NFTを活用し、中銀カプセルタワーの再現を目指す事業概要が決定した。
プロジェクトの背景

中銀カプセルタワービルは、故・黒川紀章が設計したメタボリズムの代表作として世界的に有名な建物だ。1972年の竣工から築50年が経過。老朽化やアスベストの問題等から解体が決定し、2022年4月より解体が始まっていた。解体されるカプセルの一部は、中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクトと共に黒川設計事務所にて保存活動が行われている。
その中で、LAETOLI及び黒川設計事務所は、デジタル技術やブロックチェーンを活用し、リアル空間及びメタバース空間において、中銀カプセルタワーの再現を目指し協議を進めていた。協議の結果、NFTを活用した中銀カプセルタワーの再現を目指す事業概要が今回決定したのである。
- リアル空間
https://drive.google.com/file/d/1rU6K3o6CqdomZBfjS3gm1DjDUVZx1R2A/view?usp=drivesdk - メタバース空間
https://drive.google.com/file/d/1RrRI6Rbw2RkjetK7F5DBLu7R2v6GXnQp/view?usp=drivesdk
NFTの概要と特徴
本NFTの特徴は、黒川設計事務所が所有する著作権に基づく世界で唯一の作品であること、世界でただ一人(一社)が利用できる権利であることだ。リアル空間・メタバース空間において中銀カプセルタワーを再現できるのみならず、様々な事業を独占的に行える可能性もある。
NFTは、世界最大のマーケットプレイスである「OpenSea」にて、オークション形式での販売となる。開始は7/22(金)13時、終了は8/31(水)13時が予定されており、スタート価格は未定だ。
リアル空間とメタバース空間それぞれの概要は次の通り。
リアル空間
黒川設計事務所が著作権を所有する建築図面に基づき、3DCADデータを作成。このCADデータに基づき、リアル空間で中銀カプセルタワーを建設、利用、販売などができる権利をNFTとして、世界で唯一、1エディション販売する。NFT自体は2エディション発行され、1つは黒川設計事務所が所有し、もう1エディションのみが販売される。

- NFTの特徴と活用例
ディベロッパーやゼネコンがリアル空間で中銀カプセルタワーを建設し、他人に貸したり、販売することができる。3DCADデータは自由に使えるため、カプセルを用いた様々な事業が可能。仮設住宅や季節に応じて移動する移動するリゾート事業などでの活用が見込まれる。
メタバース空間
黒川設計事務所が著作権を所有する建築図面に基づき、中銀カプセルタワー全体をデジタルアートとして、再現。このデジタルアートを所有、利用、販売などができる権利をNFTとして、世界で唯一、1エディションが販売される。


- NFTの特徴と活用例
メタバース空間で中銀カプセルタワーを完全再現し、中銀カプセルタワーを他人に貸したり、販売することがでできる。利用方法に厳しい制限は設けないため、新たなコミュニティーの構築や新たな利用価値を生み出すことも可能だ。
LAETOLI株式会社について
- 経済合理性を超えた”次の世代に託すべき価値”に光を当て、誰もが公正に関わることができる「想いと豊かさが巡るフェアエコノミー時代を創造する」ことを掲げ、不動産クラウドファンディング「COZUCHI」を運営。
- 老朽化し危険な状況でもある中銀ビルを取り壊すことはやむを得ないと考えているものの、黒川紀章のメタボリズム思想を代表する作品であり、”次の世代に託すべき価値”があることから、「COZUCHI」にて約20億円の調達を行い、本プロジェクトに参加した。
株式会社黒川紀章建築都市設計事務所について
- 黒川紀章氏は、1960年弱冠26歳で建築の理論運動メタボリズムを提唱し、機械の時代から生命の時代への変革を一貫して主張してきた。設計活動は世界20ヵ国におよび、世界各地で完成した作品は高い評価を得ており、建築界のノーベル賞ともいわれているフランス建築アカデミーのゴールドメダル等を多数受賞。
- 黒川紀章氏が他界した後、黒川紀章建築都市設計事務所は創立者黒川紀章によって構築されたブランドを継承し、中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクトへの協力など、国内外で活発な設計活動を行っている。

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