国内の製造業従事者に対し「スマートファクトリー化」(製造業DX)に関する調査を実施

2023.03.29

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株式会社村田製作所は、自社のスマートファクトリー化(製造業DX)に携わる製造業に努める500名(スクリーニング調査:国内の製造業従事者11,084名)に対し「スマートファクトリー化」についての調査を2023年1月に行った。

調査内容

  • Q.スマートファクトリー※化の取り組みを実施していますか。
    製造業に努める11,084名に対し、スマートファクトリー化の実施について尋ねたところ、「実施している」と回答したのは22.9%にとどまる結果となった。「実施を検討している」と回答した方も15.2%となり、現時点では約6割の企業がスマートファクトリー化を実施していないことが分かった。
  •  Q.スマートファクトリー化に取り組むこととなったきっかけをお答えください。
    実際に自社のスマートファクトリー化に携わる500名に対し、スマートファクトリー化のきっかけを尋ねると、設備稼働率改善・生産プロセス短縮・生産計画の精度向上などの「生産性の向上」が58.8%と最も多く、次いで、「コスト削減」が54.0%と続いた。
  • Q.スマートファクトリー化の一環として、どのような取り組みを実施していますか。
    どのような取り組みを行っているかを尋ねると、「デジタル技術(IT/OT)の活用により業務の標準化やノウハウの見える化の精度を向上させ、技術継承に役立てている」と回答した方が最も多く47.6%となった。僅差で「製造プロセスで収集したデータを品質向上に活用している」47.4%と続き、「デジタル技術(IT/OT)を活用して設備稼働率改善や生産プロセス短縮を行っている」と回答した方も46.0%となっている。
    この結果から、複数の取り組みを組み合わせてスマートファクトリー化を進めている企業が多いことが分かった。
  • Q.スマートファクトリー化による成果を感じていますか。
    スマートファクトリー化の取り組みに関わっている人のうち86.0%が成果を感じていると回答。
  • Q.スマートファクトリー化を前進させることができた主な要因は何だと思いますか。
    成果を感じていると回答した430名に要因を尋ねた。その結果、「スマートファクトリー化に対するトップの理解(トップダウンの方針含む)」が67.7%で最も多く、「専門部隊の設置」が53.0%と続いた。
  • Q.どのようなステップでスマートファクトリー化につまずいていますか。
    一方で、成果を感じていない70名は、主に「データ分析・予測」「データ収集・蓄積」でつまずいていることが分かった。スマートファクトリー化を進めるにはこのステップをどのように超えるかがポイントになると考えられる。
  • Q.スマートファクトリー化の推進にあたって障害になっている・なると思う要因をお答えください。
    また、「専門的な技術者や人材がいない」、「費用対効果が示せない」という要因でスマートファクトリー化が滞っていると感じている方も多いことが分かった。
  • Q.どうすればスマートファクトリー化を前進させることができると思いますか。
    ・専門の部署をつくる。
    ・ニーズとシーズのマッチング。ノウハウの蓄積。技術者の養成。
    ・トップダウンによる推進。
    ・専門家による教育が必要。
    ・専門部隊をつくっても、実務に詳しくないため迷惑。
    ・経営者の断固たる決意と推進。
    ・投資費用を節約しない。専門部隊で検討する。
    ・現場作業内容を把握した専門部隊が必要。
    ・現場を知らないため、何を変えたらいいのか分かっていない。
    ・多少費用が掛かっても、習熟が終わるまで専門のスタッフが常駐して欲しい。

スマートファクトリー化前進の要因として、経営層・現場、それぞれの理解、専門部署の設置などの声が上がった。また、専門部署においても、IT/OTの知識だけではなく、実務の知識や現場の状況理解が必要になるといった複合的な課題がありそうだ。

  • Q.スマートファクトリー化について推進の体制をお答えください。
    スマートファクトリー化推進の体制について、「すべて自社内で実施している」と回答した方は3割未満にとどまる結果となった。スマートファクトリー化を自社のみ推進ですることの難しさがあらためて分かる結果となった。
  • Q.現在取り組んでいるスマートファクトリー化に関する項目について、今後も取り組みを継続したいと思いますか。
    スマートファクトリー化に関する現在の取り組みについて、今後も継続したいと回答した方がすべての項目で9割を超える結果となった。

調査結果まとめ

生産性向上や品質管理、人材不足への対応など、製造業におけるさまざまな課題の解決策として、AIやIoTを活用したスマートファクトリー化が注目されている。しかし、実施にあたっては導入資金や専門知識が必要になるほか、十分な成果を得られるか懸念を抱く企業も多いことが予想されている。

今回の調査結果から、現状スマートファクトリー化の取り組みを実施中という回答は2割にとどまる一方で、その大半が成果を感じていることが分かった。成功の要因は「トップの理解」と「専門部隊の設置」であると考える人が多く、また専門部隊が現場の作業内容や状況を十分に理解していることも、推進上のポイントの1つであるようだ。

村田製作所においても、自社の製造現場のスマートファクトリー化を進めている。上記に挙がった「トップの理解」と「専門部隊の設置」に加え、「小さく始めてスピーディーにサイクルを回す」ことや「データを集めながら次の方向を考える」こともポイントであると考え、実際に福井村田製作所や小諸村田製作所など複数の工場での成功例がある。

村田製作所では、電子部品の研究開発、製造を通じて培った技術や経験を基盤に、さらにソフトウェアや通信ネットワークなどを組み合わせた製造業向けソリューションを提供している。今回の調査結果で、スマートファクトリー化でつまずくステップとして多かった「データ収集・蓄積」「データ分析・予測」には、村田製作所でも実際に導入活用している、製造業のための生産改善プラットフォーム「m-FLIP」の活用が有効だ。

村田製作所はこうしたソリューションの提供を通じて、今後も製造業全体におけるスマートファクトリー化を支援し、社会課題の解決に貢献していく。

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