日本財団、世界初となる営業コンテナ船による無人運航の実証実験に成功。ARナビゲーションシステムなどを使用

2022.01.26

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日本財団が推進する無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」の一環

日本財団は、1月24日から25日にかけて、世界初となる営業コンテナ船による無人運航の実証実験を福井県敦賀港から鳥取県境港まで行い、航行に成功した。

この実証実験は、日本財団が推進する無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」の一環だ。実際に営業しているコンテナ船による無人運航船の実証及びドローンによる係船補助作業※1などは世界初となる。本プロジェクトで開発された、自律航行システム、ドローンによる係船補助作業、陸上モニタリング用のARナビゲーションシステムなどは、船舶の安全航行や船員の労働負荷低減に寄与することが期待される。

※1 係船補助作業とは、船を岸壁にロープで係留する作業

無人運航実証を行った営業コンテナ船「みかげ」
ドローンによる係船補助作業

海の事故の減少、海運の人手不足の解消など、さまざまな課題の解決につながるものとして期待されている「無人運航船」は、ICTやAI、画像解析技術をはじめ、日本が世界に対し高い技術を生かすことができる「未来の産業」として期待され、研究・開発が進められている。

日本財団が推進する無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」は、2020年2月より5つのコンソーシアムと共同で、無人運航船の開発に取り組んできた。これまで開発を進めてきたさまざまな船種の無人運航船は、2022年1月から3月にかけて、5つすべてのコンソーシアムで実証実験を行っている。

営業コンテナ船「みかげ」の無人運航実証実験が成功

今回、無人運航船の実証実験に成功したのは、内航コンテナ船「みかげ」。「みかげ」と同等の大きさ(総トン数749トン)の船舶は、現在、内航船舶の約1割を占めており、国内海上物流の重要な役割を担っている。一方で、内航船では、1回の運航で船員の拘束時間が長くなることや船員不足などを理由に、労働基準法に照らし合わせた場合、3~4割の船員が労働時間に関する基準を超えている※2現状がある。

※2 国土交通省「内航船員の労働実態調査結果」(https://www.mlit.go.jp/common/001288781.pdf

この度、実際に営業に使用しているコンテナ船での無人運航実証実験が成功したことで、将来的に技術転用が進めば、内航海運における課題である船員不足や作業負担の低減、また、オペレーションコスト低減などへの貢献が期待される。

実証実験、開発のポイント

敦賀港から境港間の約270kmを無人運航した。コンテナ船「みかげ」では、他船検出センサーとして用いているAIS(船舶自動識別装置)とレーダーに加えて、可視光カメラと夜間対応の赤外線カメラを搭載し、AI学習による他船検出システムを開発した。また、検出した他船の動きに基づいて、衝突を避ける自律操船システムも開発し、実験に成功した。更に、船員総動員で行う着岸の船員負担軽減のため、船を岸壁に係留するロープをたぐりよせるヒービングラインを無人のドローンで運ぶシステムを開発した。無人運航船では、陸上での監視も必要だが、AR技術を活用し、船上からの映像に各種情報を画面上に重畳して表示するシステムも使用した。

操舵室と陸上のモニターに表示される 「ARナビゲーションシステム」
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