ロックガレッジ、茨城西南広域消防本部と合同でドローン×AI×スマートグラスによる訓練形式の人命救助実証試験を実施
2022.02.01
実証実験の背景
日本は、台風や豪雨、豪雪、洪水、土砂災害、地震、津波、火山噴火など様々な大規模災害が発生しうる国土となっている。これらの大規模災害においてその被害を最小化すべく、迅速かつ効率的な捜索活動が求められている。
現在全国の消防組織等においては、捜索活動や被害状況の把握、人命救助活動にドローンを活用することが模索されている。しかしながら、ドローンによって収集された情報の活用・伝達が十分にできているとは言えず、最新のデジタル技術が現場で有効利用されていないのが現状だ。
ドローン×AI×XRの融合による捜索支援システム「3rd-EYE」
このような背景を踏まえ、ロックガレッジでは一連の情報処理を自動化することで効率的な情報共有を行うことのできる捜索活動支援システム「3rd-EYE」を開発した。
このシステムではドローン映像をAIで自動解析し、捜索対象(人間)の位置を特定、スマートグラスにその位置情報を空間表示する。また、捜索結果は指揮本部に設置される端末にも共有されるため、指揮命令者が指示を出す際にも利用することが可能。
このシステムにおいてスマートグラスを装着した隊員は、その視野の中でどこに捜索対象(人間)がいるのかを直感的に理解することができるようになる。これによって隊員間または指揮本部との意思疎通を正確に行うことができるようになり、救助活動の迅速化が期待できる。

①・② パイロットがドローンを(手動 or 自動)飛行させる
③ 指揮本部が映像、捜索結果、隊員位置を確認し、指揮する
④ 捜索部隊が指示をもとに捜索・救助を行う
実証実験の成果
今回の実証試験では、実用化版「3rd-EYE」を消防組織による捜索活動訓練に組み込んで使用する実証実験を行った。消防組織との度重なるヒアリングと実証実験の中で仕様と機能を最適化することで、これまでの指揮系統を崩すことなく効率良く捜索活動を行えることを確認することができた。
実用化版の本システムでは、指揮本部に設置されるタブレット端末にすべての情報が集約され、部隊の指揮権者が要救助者その他の情報を取捨選択したうえで、各部隊に指示を出すことができるシステムとなっている。訓練では、 「あと20メートル前方へ進め」などの指示が出され、従来の部隊指揮ではできなかったより具体的な指示ができるようになったことが確かめられた。

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