テンアップ、人事部新卒採用でのメタバース活用結果を発表
2022.03.30
メタバースのツールである「VRlite」を展開する株式会社テンアップが、メタバース空間での仕事を実際に行うことが可能かどうかを調べるために業界初の「メタバースお仕事100個挑戦プロジェクト」を開始。人事部の新卒採用での実証実験において、顕著な効果があることが確認されたと発表した。

各社人事部の事前の課題
同社は各社の人事部に次のような課題があったとしている。
- コロナ禍でオンライン(主にWeb会議)を使用した一次面接や会社案内を実施したが、リアル会場で実施している時のような達成感や反応が見られない。
- コロナ前においてリアルで採用した人よりも、オンライン(主にWeb会議)を利用して入社した人の印象が少ない。
- 内定時から入社時の間にするべく教育が達成されていないように感じる。
実証実験に至る過程とその内容
同社は2018年から新卒採用のツールとしてメタバースを推進していたが、各企業人事担当者から「面白いが、学生(応募者)の顔が見えないと話にならない」との声が挙がった。
そこで同社は、将来の仕事の場になると注目されているメタバース空間で今後仕事ができるのかを判断するため、企業の人事部と実証実験を実施。今回は新卒採用に特化して実証実験を行い、リアルな対面のみの採用活動と、Zoom等を活用したオンラインの採用活動との比較を行った。なお、同実証実験はアバターの顔の部分をWebカメラにした仕様を採用。

実証実験のアンケート結果
- 双方の印象が良くなった(94%)
メタバースを使うことで、実際に会っているかのようの印象になることから、人事部もリアルで行う会社案内のように事前準備し、採用活動にもスイッチが入った。 - 企業が伝えたい情報を正しく伝達しやすくなった(94%)
メタバースの空間では、資料共有や動画の共有をすることができる。また応募者は感情ボタンを押すことが可能なため、人事部はイベント会場の雰囲気がどのような状態か、また応募者の反応を見ながら資料などを出すことができた。 - 内定者教育に効果があった(88%)
Web会議では全員の顔を見ることができず、一人ひとりの状況や性格等を把握することも難しかった。一方で、アバターを使うメタバースで教育を行うと、アバターの使い方でその内定者の性格がわかった。 - 想いを伝えられる(11%)
内定者は臨場感が高く、360度の世界に入って創業地や実際の顧客がいるシーンを見ながら話を聞いているため、リアルな大会議室等で聞いているよりも強烈に印象が残ったという意見が出た。
メタバース実証実験の結果と今後について

コロナ禍で就職をする学生は学校も就職活動もオンラインが主となってしまうため、オンラインで情報を聞いて終わりではなく、実際に自分の目で見たいというニーズがあった。メタバースではそのニーズに応えられる可能性があると同社は評価した。
なお、同実証実験から同社は、テクノロジーとしての効果だけではなく、人事部が本質的に抱えている課題にも貢献できたと捉えている。今後は、人事担当者がより使いやすくなる機能の開発や、学生側がより就職に重要な情報を得ることのできる機会をより多く作っていく予定だ。

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