英国原子力公社とマンチェスター大学によるクリーンエネルギー研究において、デジタルツインシミュレーションプラットフォーム「NVIDIA Omniverse」を検討
2022.06.01
英国原子力公社とマンチェスター大学が、分散した設計チームをつなぎ核融合プラズマ挙動の理解を深めるために、NVIDIAが提供するデジタルツインシミュレーションプラットフォームのテストを実施している。
背景と経緯
- 地球で太陽のエネルギーを再現するために、研究者とエンジニアは、最新のデータサイエンスや極めて大規模なコンピューティングを利用して、核融合炉の設計を進めている
- 研究者は、NVIDIA Omniverseを活用することで完全に機能する核融合炉のデジタルツインを構築できる可能性があり、それによって核融合炉の建設において最も効率的な設計を選択できるようになると説明している
NVIDIA Omniverseについて
- 核融合炉の設計に取り組むエンジニアが、信頼できる唯一の情報源から同時にコラボレーションできる
- 核融合炉の設計、運用、制御に役立つだけでなく、未来のAIを利用したロボットやAIで強化されたロボットの制御維持システムのトレーニングにも有効
- 完全な忠実度を有する3Dデータをインポートするプラットフォームの主要機能を使用することで、チームが核融合炉の設計においてフォトリアルな描写を実現
- RTXレンダラーによってリアルタイムの可視化を実現し、構成部品の複数の設計オプションを容易に比較できた
- URL:https://www.nvidia.com/ja-jp/omniverse/solutions/digital-twins/
テスト概要
課題となっている核融合プラズマのシミュレーションを実現
- 業界用シミュレーション ソフトウェア 「Monte Carlo Neutronics Code Geant4」のデータを接続して取り込むために、Omniverse Kit を使用してPythonベースのOmniverse Extensionsを開発
- これにより、核融合炉からエネルギーを運び出す炉心内の中性子輸送シミュレーションが可能に
JOREKプラズマシミュレーションコードを示すための「Omniverse Extensions」も構築
- 可視光の放射をシミュレートし、研究者にプラズマの状態に関する洞察を提供
- 科学者は、既存のシミュレーション データと併用して、AIサロゲートモデルを開発し、核融合プラズマのシミュレーションを加速させるために、AI物理フレームワーク「NVIDIA Modulus」 について検討を開始する予定
ロボットシステムのトレーニングには「Omniverse Replicator」
- カスタム合成データ生成ツールおよびデータセットを作成するためのソフトウェア開発キット
- URL:https://developer.nvidia.com/nvidia-omniverse-platform/replicator
今後、センサーモデルは観測データをOmniverseのデジタルツインにライブストリーミングできるようになり、バーチャルツインと実際の核融合炉の状態の同期が常に保たれるようになる。研究者は、実際の核融合炉に対して変更を実施する前にバーチャルツインで最初にテストし、さまざまな仮説のシナリオについて検討できるようになると同社は説明する。
UKAEAとNVIDIA Omniverseについて:https://www.nvidia.com/ja-jp/omniverse/

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