MRとは?AR・VRとの違いや活用事例・デバイスを解説!

Technology
2020.09.25 | Motto AR編集部

近年、VRやARに加えて、MR技術に注目が集まっています。MR(Mixed Reality:複合現実)は建設業や製造業、医療分野はもとよりコールセンター、観光、ゲーム・エンターテイメントなどのサービス領域まで、幅広く活用されている話題の技術です。この記事では、VRやARとの違いについて触れながら、MRについてわかりやすく実例を用いて解説します。

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MRとは

MRとは

MRは「Mixed Reality」の略称。
日本語では「複合現実」と訳されることが多い言葉です。
現実世界を3次元空間としてデジタル情報化し、その中に架空のオブジェクトを配置して自由に操作できる技術のことです。

現実世界とデジタルの世界が「相互に作用する」ことが特徴です。

「相互に作用する」とはどういうことかというと、現実世界の空間に表示されるデジタルオブジェクトを、まるで現実に存在するかのように操作できるということです。

たとえば、次のようなことができます。

・目の前に表示されたホログラムのリンゴを自分の手で回転させる
・目の前の何もない空間に表示されたホログラムのボタンを、自分の指で押す
・部屋の壁に映し出されたホログラムの映像を、コントローラーを使って再生したり一時停止したりする

ただしホログラムの映像は現実として見えるわけではありません。

MRデバイス

MRデバイスを頭部に装着することで、レンズを通してホログラム映像を見ることが可能です。MRデバイスが「物理的な環境」と「人間の動き」をセンサーによって感知し、デジタル処理した映像を「レンズに出力」することによってMRは実現されています。

MRの技術は映画でイメージすると、トム・クルーズ主演の「マイノリティ・リポート」(2002年公開)の世界です。「マイノリティ・リポート」は2054年のワシントンD.C.を舞台にした近未来SF映画。
刑事である主人公がとある犯罪現場の映像を見る際に、指揮者のように両手を使って、目の前のホログラム映像を拡大したり一時停止したり、ほかの映像に切り替えたりするシーンがあります。
これはまさにMR技術が実用化されている世界といえるでしょう。そして現在、すでにこのような技術は実用化されています。

ARとの共通点と違い

MR(Mixed Reality:複合現実)とAR(Augmented Reality:拡張現実)の違いは「空間把握ができるかどうか」です。ARは、現実世界にそのままデジタルコンテンツを表示させます。表示されたデジタルオブジェクトを「実際にさわって操作する」ことはできません。一方でMRは、現実世界を3次元空間としてデジタル情報化し、その中に架空のオブジェクトを配置して自由に操作することができます。

ARの技術を使ったスマホアプリの例で説明しましょう。

たとえば、室内にスマートフォンのカメラをかざすと、画面上で家具の配置シミュレーションが行えるARアプリケーションがあります。
スマートフォンの画面には、まるで室内に設置されたかのように家具が表示されます。ですが、この表示された家具に実際に手をのばしても、差し出した手は家具をすり抜け、家具の背面に隠れてしまいます。
また、差し出された手に反応して家具が変化することもありません。

これはつまり、デジタルに表示される家具は現実世界とは接点がないということ。デジタル(家具)と物理的な世界は断絶されており、干渉することはありません。

MR ピアノ

一方MRでは、物理的な世界とデジタル世界が「融合」しています。
たとえばあなたの目の前に、バーチャルの鍵盤が表示されているとしましょう。
鍵盤を指で押すと、実際の鍵盤を押したのと同じようにバーチャルの鍵盤が下に沈み、音を出すこともできます。
物理的な世界がデジタル世界にリンクしていることがわかります。

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VRとの共通点と違い

MR(Mixed Reality:複合現実)とVR(Virtual Reality:仮想現実)の違いは、「現実世界の有無」です。MRは現実世界とデジタル世界がミックスされた世界を提供しますが、そこには必ず「現実世界」があります。

たとえば、ニュースメディアを視聴できるMRシステムを利用すれば、自分の部屋の空間上(現実世界)にニュース映像(デジタル世界)が表示されます。

MRとVR

一方、VRにおいてユーザーが見る景色は、純粋に「デジタル世界だけ」で成り立っており、そこに「現実世界」はありません。そもそもVRは、ユーザーの視界から現実世界を遮断して、ユーザーをデジタル世界に没入させるための技術。
VRでは、「現実世界」は排除されています。

たとえば、世界中の町並みや地形をVRで体験できるアプリケーションを利用すれば、あなたの視界は外国のどこかの町並みに変わるでしょう。あなたがVRを使う前に見ていた自分の部屋(現実世界)の景色は、視界から消えます。

一方で、物理的な動きをデジタル世界へ反映させる仕組みがある点は、MRとVRの共通点です。
MRでは、手や手に握ったコントローラーを使って現実世界の空間に表示されたデジタルオブジェクトを操作することができますが、VRシステムでも同様の機能をもつものがあります。

たとえば手術シミュレーションを行うVRシステムでは、動きを感知するセンサーを手にもつことで、デジタル世界で実際に手術しているかのように操作できます。

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MRの活用事例

MRは実際どのようなことに使われているのでしょうか?この章では、MRの活用事例を3つご紹介します。

1.建設業のプロジェクト進行管理システム活用事例
2.MRゲーム活用事例
3.コールセンター活用事例

それぞれの活用事例について、詳しくみていきましょう。

1.建設業のプロジェクト進行管理システム活用事例

MRの技術は、建設プロジェクトの進行管理システムに利用されています。

建設業のMR

現場の作業員は、空間に表示されているデジタルオブジェクトを手で操作することで作業の記録ができ、いちいちパソコンと行き来する必要がありません。また会議に出席するメンバー全員にMRデバイスを装着させることで、建築物の立体的なホログラム映像をメンバーの前に表示し、建築完成時のモデルを共有しながら打ち合わせが行えます。このソリューションを提供しているのは、建設業向けのシステム開発を行う米企業Bentley Systemsです。    

Bentley Systems

2.MRゲーム活用事例

MRゲーム

MRはゲームにも活用されています。
たとえばシューティングゲームの「Dr. Grordbort’s Invaders」では、敵が部屋の壁に穴を開けて侵入してきたり、床から現れたりするため、まるで現実世界に敵が現れたかような体験ができます。ユーザーはコントローラーを操作して敵を倒していきます。    

Dr. Grordbort’s Invaders

3.コールセンター活用事例

コールセンターのMR

メーカーのコールセンターでもMRが活用されています。
オペレーターがMRデバイスを装着し、目の前に表示された製品のホログラムを手で操作することができます。
これまでお客さまから問い合わせを受けるたびに、オペレーターは実物の製品がある場所まで移動して操作していましたが、その必要がなくなります。

そしてオペレーターはコールセンターにいる必要がなくなるため、自宅業務が可能になります。

MRのデバイス

MRデバイス

MRの世界を体験するには、どのようなデバイスが必要なのでしょうか。ここでは、MRデバイスを3種類ご紹介します。

1.Microsoft HoloLens 2(マイクロソフト ホロレンズ2)
2.Magic Leap 1(マジックリープ1)
3.NrealLight(エンリアルライト)

次からそれぞれのデバイスについて詳しくみていきます。

1.Microsoft HoloLens 2(マイクロソフト ホロレンズ2)

Microsoft HoloLens 2は、主に産業用に使われています。
パソコンやスマートフォンとの外部接続は不要で、ヘッドセットの装着のみで完結できることが特徴です。また、両手を使った操作に対応。大きさは、ほか2製品に比べて大きめで、重量は566gです。価格は422,180円。

HoloLens 2

2.Magic Leap 1(マジックリープ1)

Magic Leap 1は米Magic Leap社が開発したMRデバイスです。
ポケットサイズのコンピューター「Lightpack」と接続し、コントローラーを使って操作します。重量は316gと、HoloLens 2 と比較すると軽量モデルです。価格は273,900円。

Magic Leap

3.NrealLight(エンリアルライト)

NrealLightは、中国のNreal社が開発したMRデバイスです。
専用のコンピューターまたはスマートフォンに接続して利用します。
見た目はまるでサングラスのようで、重量は「HoloLens 2」「Magic Leap 1」と比べて88gともっとも軽量です。
2020年8月、韓国の大手移動通信者であるLG Uplusと連携して、世界初のコンシューマー向けの5G ARグラスを発売しました。価格は62,000円前後です。(2020年9月現在)

NrealLight

NrealLight

MRで現実とデジタル世界が融合する

MRによって現実世界とデジタル世界が融合し、スマートフォンやパソコンを使わずに、本記事でご紹介したようなデバイスを通じて、デジタルコンテンツに接することができるようになります。ARやVRをさらに発展させた技術であるMRは、ビジネス領域を中心に、今後ますます活用の幅が広がっていくでしょう。

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