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VRでスポーツ観戦するメリットや具体事例を解説!バーチャル空間ならではの視点や演出が可能に

VRでスポーツ観戦するメリットや具体事例を解説!バーチャル空間ならではの視点や演出が可能に

スタジアムに行くのは避けたいが、現地の熱狂や空気感を味わいながら試合は観戦したい。そんな思いを抱いている方も多いのではないでしょうか。そんななか、VRの活用がスポーツ観戦の領域でも広がっています。本記事では、スポーツ観戦で使われるVR技術について、そのメリットや具体的な実証実験例などをご紹介していきます。

ゲームや映像作品視聴での利用シーンが増えているVR(仮想現実感)。実は、スポーツ観戦の領域でも、ジワジワと活用が広がっています。

新型コロナウイルスの影響が世界各地で続く中、感染リスクを最小限にするべくスタジアムに行くのは避けたいが、現地の熱狂や空気感を味わいながら試合は観戦したい。そんな思いを抱いている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、スポーツ観戦で使われるVR技術について、そのメリットや具体的な実証実験例、サービス例などをご紹介していきます。

VR観戦が注目される背景

そもそも、なぜスポーツ観戦でVRの活用が注目されているのでしょうか。以下、2つの要因についてお伝えします。

5G時代の到来

VRがスポーツ観戦の手段として注目されている背景には、5Gのスタートが挙げられます。5Gとは第5世代移動通信システムのことで、①高速大容量通信が可能、②低遅延で信頼性が高い、③複数機器同時接続が可能という、主に3つの特徴を有しているものです。

スポーツ観戦といえば、短くとも1時間は平気でかかるイベント。それらをVRで視聴しようとした場合、当然ながらコンテンツ容量も莫大なサイズになります。強力なWi-Fi環境があれば良いのですが、そうでないケースも多く、せっかくの盛り上がりどころでも、通信が不定期で切れてしまうと熱が一気に冷めてしまうでしょう。

だからこそ、5Gという強力な通信インフラが整備されたことは、VR観戦にまつわるこれらの問題を解決すると期待されています。

コロナ禍におけるニューノーマル対応

冒頭でも記載した通り、コロナ禍のニューノーマルに合わせる形で観戦スタイルの変化が探られている、という点も無視できません。入場制限を行うにせよ、スタジアム現地での観戦は新型コロナウイルス感染のリスクが少なからず高まります。

現地で応援したいけれど、なかなかそうもいかない状況だからこそ、手頃な価格で現地の雰囲気を楽しめるVRへの期待が高まっているといえます。

観戦でVRを使うメリット

それでは、スタジアム現地での観戦と比較して、VRによる観戦にはどんなメリットがもたらされるのでしょうか。将来的な機能実装の可能性も含める形で、以下3つのメリットについて順番に見ていきます。

自宅で臨場感ある観戦ができる

VR観戦は、ヘッドマウントディスプレイ機器と通信環境さえあれば実現するので、自宅から出る必要がありません。

VR環境によって、スタジアムで観客席に座っている状態と変わらない視点と視野でスポーツ観戦できるので、テレビやスマートフォンよりも臨場感のある形で応援ができるでしょう。

関連データを即座に表示できる

スポーツをVRで視聴している際に、たとえば気になった選手がいた場合、観戦をしながら同じ画面上で、その選手に関する情報を表示をさせることができます。野球であれば今期の成績や、公開されているパーソナル情報など、通常はスマホなどを使ってわざわざ検索をして調べていたものが、同一デバイス上で簡単にチェックできるようになることが期待されています。

マルチアングルでの観戦ができるようにも

VR観戦では、通常のスタジアム観客席やテレビ中継などからの視点だけではなく、それ以外にも複数の視点から試合を楽しむことができます。たとえば、応援しているチームベンチの視点で、試合を観ることができるようになるかもしれません。

もちろん、これを中継試合で実現するためには膨大な映像情報をスムーズに送受信できるようになる必要があるので、5Gの浸透が必須条件だといえるでしょう。

これまで行われた実証実験事例

このVR観戦ですが、現在に至るまで複数プロジェクトで実証実験が行われています。具体的な実証実験事例を3つご紹介します。

NTTドコモ「VR/ARを活用したスタジアム観戦」

画像出典:NTTドコモ「進化する観戦体験。5G、ARやVRが生み出す新たなスポーツの楽しみ方とは

2017年12月24日に開催されたジャパンラグビートップリーグ試合「NEC グリーンロケッツ 対 NTTドコモ レッドハリケーンズ戦」において、VRおよびAR技術を活用した観戦の実証実験が行われました。

VRの活用実証としては、スタジアム外の離れた場所で、チームの紹介映像を360°の視野角で視聴できるコンテンツを提供しました。

またARの活用実証としては、スタジアムの観客席でスマートグラスを装着することで、目の前の試合の様子とは別角度からの生中継映像を観戦中に同時並行で観ることができ、かつチームや選手のプロフィール、試合状況の解説といったテキスト情報も表示・確認できるようにしました。

KDDI×横浜DeNAベイスターズ「バーチャルハマスタ」

画像出典:KDDI「バーチャルハマスタ」、約3万人がバーチャル空間を通じた野球観戦に熱狂!

横浜DeNAベイスターズとKDDIは2020年8月11日に、VR空間上に再現された横浜スタジアムで試合観戦を楽しみ、選手を応援できる「バーチャルハマスタ」を開催。

専用アプリにログインすると、VR空間上のスタジアム外周からアバターを操作することができ、グラウンド中央に設置された大型ビジョンに試合映像が放映されるので、それを好きな視点から観戦することができました。

また、視聴者はオリジナルアバターを使ってバーチャルハマスタ内を自由に動き回ることもできるので、他のファンとのコミュニケーションや共同応援も楽しむことが可能です。

こちらの実証実験には、なんと実物の横浜スタジアム収容人数とほぼ同数の、約3万人以上が参加したとのことです。

ソフトバンク「ヤフオクドームで5Gを活用したVR試合観戦実験」

画像出典:ソフトバンク「ヤフオクドームで5Gを活用し、多視点切り替え可能な3Dパノラマ映像を用いたVR試合観戦実験に成功

3つ目は福岡ソフトバンクホークスとソフトバンクによる、5Gを活用したVR観戦の実証実験です。

具体的には、福岡 ヤフオク!ドーム(現:福岡PayPayドーム)のホームベース後方フェンス内などに設置した高画質VRカメラ映像を、5Gネットワークを通じてVRヘッドセットに伝送。高画質な3Dパノラマ映像を、VRで観戦することができました。また、カメラは複数台設置されていたので、視点を自由に切り替えながら観戦することもできました。

さらに、視聴者がアバターとしてVR空間に出現するアプリも開発しており、観戦者同士のリアルタイムな会話も実現していました。

スポーツのVR観戦サービス3選

ここまでは実証実験としての取り組みでしたが、最後に、実際に提供されているVR観戦サービスについてご紹介します。

野球観戦:VR SQUARE

ソフトバンクが2020年3月から提供開始している「VR Square」は、スポーツや音楽ライブ、映画などのコンテンツをVRで楽しめるVR配信サービスです。

同年6月19日からは「ソフトバンクホークスチャンネル」を開設し、月額980円で、球場内に設置された4台のVRカメラの視点を楽しめる中継VR映像を楽しむことができます。また、オフシーズンとなる11月から3月までは利用料が無料になります。

この他にも、AKB48の劇場公演や映画作品など、さまざまなVRコンテンツを楽しむことができるプラットフォームになっています。

バスケットボール観戦:True VR

米半導体大手のインテルは、オンラインでスポーツ観戦できる「インテル True VR」と「インテル True View」を提供しています。特に後者のTrue VRは、視聴者がスポーツライブ観戦へと完全に没入できる、同社独自のエンドツーエンドのテクノロジー・ソリューションとなっています。

具体的には、立体カメラポッドやインテル プロセッサー基盤、マルチプラットフォーム配信機能などが備わっており、試合の直前または当日に競技会場内でセットアップすることで、スタジアム内のさまざまな視点から観戦できる体験を提供しています。

eスポーツ観戦:V-RAGE

「V-RAGE」とは、CyberZ、エイベックス・エンタテインメントテレビ朝日が運営する国内最大級のeスポーツイベント「RAGE」が運営する、eスポーツ大会の観戦をコンセプトにした eスポーツ専用VR施設です。

視聴者はスマホやPCからV-RAGEへアクセスし、VRデバイスを使用する事で、実際の会場にいる臨場感を伴った観戦体験をすることができます。

また選手に対する投銭機能も導入しており、ファンが選手に対して応援マネーやコメントなどでコミュニケーションをとれるように設計されています。

VR観戦が、スポーツ応援の一つの選択肢になる

これまではリアルなスタジアム空間での観戦か、TVなどの平面ディスプレイでの観戦かの二択でしたが、VR観戦が本格化することで、バーチャル空間ならではの視点や演出が可能になります。 ウィズコロナ時代のような、密な環境での応援スタイルをとるのが憚れる状況だからこそ、VR観戦がスポーツ応援の一つの選択肢として認識されるようになる日も、そう遠くはないでしょう。

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