ウィズコロナでAR/VRはどう変わった?パンデミック下で活用・期待されるxRについて解説

Technology
2021.07.30 | Motto AR編集部

2020年3月以降に全世界を襲った新型コロナウイルス感染症のパンデミック。人との対面接触がはばかられ行動制限がなされているいま、ARやVRといったxR領域の技術に注目が集まっています。
ARやVRというようなxR領域は、ウィズコロナ・アフターコロナ時代においてどのような役割が期待されているのでしょうか。
今回はコロナ禍で変化するAR/VR領域の取り組みについて紹介します。

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2020年3月以降に全世界を襲った新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)のパンデミック。人との対面接触がはばかられるなど、公私ともかつてないほどに行動制限がなされたからこそ、それを補完するための技術に注目が集まっています。

そのなかの一つがARやVRといったxR領域の技術です。以前より「スマホ以来の技術革命」と呼ばれてきたxR領域ですが、ウィズコロナ・アフターコロナ時代においてどのような役割が期待されているのでしょうか。

本記事では、コロナ禍で変化するAR/VR領域の取り組みについて、具体事例を交えながらご紹介していきます。

なお、ARやVRについて詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。

ARとは? VR・MR・xRとの違いやビジネスでの活用を解説!!
【入門編】VRとは? 何ができるか解説! ARとの違いも

データからみる、2021年以降のAR/VR市場

まずは市場データからコロナ禍以降のxR市場を見てみましょう。

米調査会社のIDCが2020年11月に発表したレポートによると、VR・ARのグローバル市場は、2020年の120億ドル(約1兆2,400億円)から2024年までに728億ドル(約7兆5,400億円)に拡大し、この5年間は年率54%で成長すると予想されています。一般消費者向けサービスとしては主にVR/ARゲームとVR映像が市場を牽引し、またビジネスシーン向けソリューションとしては人材トレーニング・産業領域メンテナンス・リテールが市場を牽引するとされています。

画像:2020年時点の市場シェアセクターグラフ(IDC

また、マーケティング支援ソリューションを提供する株式会社リプロネクストの調査結果によると、調査対象者全体の約8割が「コロナ禍でVRを耳にする機会が増えた」と回答しており、また約6割が「ビジネスシーンでVRが使われていることを知っている」と回答しています。

画像:リプロネクスト「VRに関するアンケート調査」より

こちらはxRのなかでもVRに特化した調査ではありますが、コロナ禍をきっかけにxRの認知が広がり、また市場としても拡大していることが、2つの調査から明らかになっているといえます。

なぜ、コロナ禍でAR/VRへの期待が高まっているのか?

それではなぜ、コロナ禍においてAR/VRが注目されているのでしょうか。

その最大の要因は、新型コロナの感染拡大防止のために政府を主体として進めている「非対面・非接触」での社会活動の機運上昇にあります。

具体的には「ニューノーマル」と呼ばれる新しい生活様式によって、これまで対面で行われていた行動はことごとく非対面へと切り替えることが推奨されています。オフィスに通勤していた従業員はテレワークへの働き方移行がのぞまれ、レストランでの飲食はデリバリーへと切り替える人が増えました。また、大学などの教育機関ではビデオ会議ツールを活用したリモート授業が多くなり、医療機関への相談においても遠隔医療相談が爆発的に増えました。

このような非対面・非接触を前提とするニューノーマルな社会において、よりリッチな視覚・聴覚体験を提供できるAR/VR技術に、期待が寄せられているのです。

厚生労働省も「新しい生活様式」を推進

画像:厚生労働省「「新しい生活様式」の実践例

なお、政府が主導するニューノーマル対応については、厚生労働省が「新しい生活様式」の実践例を発表。ガイドラインとして国民に提示しました。ご覧いただくとおわかりのとおり、「買い物では通販を利用する」「食事は持ち帰りや出前、デリバリーを使う」など、相応に具体的な内容が記述されています。

このニューノーマル社会へのAR/VR技術の適応については、以下の記事もご覧ください。

ニューノーマルでARやVRを活かす!自宅でできるxRな新生活スタイルを考える

コロナ禍で期待されるAR/VR(日常生活編)

それでは、具体的にAR/VRはどのような役割を期待されているのでしょうか。ここでは日常生活とビジネスの2シーンにわけて解説していきます。

日常生活シーン

まずは、一般消費者の日常生活シーンで期待されるAR/VRです。従来より活用されているゲーム領域はもちろん、それ以外にも、観光やイベント参加、ショッピング、スポーツ鑑賞など、さまざまな領域でのAR/VR活用が推進されています。

たとえば観光領域を考えてみると、民間旅行会社はもちろん、観光誘致を行いたい自治体にとっても非常に重要なツールになってきているといえます。民間会社による旅行体験のVR/AR活用については、より没入感の高いメタバースを前提としたサービスが次々と立ち上がっています。旅行大手のJTBは2021年4月に、バーチャル観光を楽しめる「バーチャル・ジャパン・プラットフォーム」サービスを発表し、業界内外で大きな話題となりました。

メタバースとは?ビッグテック各社が開発に乗り出す次世代プラットフォームについて解説

熱狂系イベント

また、スポーツ観戦のような熱狂系イベントにおいても、AR/VRは大いに活用されています。たとえば横浜スタジアムでは、VR-HMDを装着することでスタジアムで観客席に座っている状態と変わらない視点・視野で野球観戦ができるサービスを実験的に提供しました。また、気になった選手の情報を視覚中のものと同じディスプレイ上に表示させ、よりシームレスにチェックできる取り組みも行っています。

VRでスポーツ観戦するメリットや具体事例を解説!バーチャル空間ならではの視点や演出が可能に

ショッピング

さらに、日々のショッピング体験についても、主にARを活用した取り組みが進んでいます。ARショッピング最大の特徴は、場所を問わない購買体験が可能だということ。自宅にいても、AR確認用のデバイスとネット環境さえあれば、好きなお店で好きな商材をチェックして購入することができます。

ARショッピングがネットの買い物をどのように変えるのか!?導入事例から学ぶ活用のポイントとは

このように、一般生活におけるAR/VRは、ゲームだけではなくさまざまな領域へと浸透し始めており、ニューノーマルな社会への対応を補完しています。

コロナ禍で期待されるAR/VR(ビジネスシーン編)

次にビジネスシーンにおけるAR/VRの活用です。こちらもさまざまな用途が考えられますが、大きなくくりで考えると、オフィスワーク支援と現場ワーク支援があげられるでしょう。

オフィスワーク支援

オフィスワーク支援としては、具体的にはテレワークを想定したソリューションが考えられます。たとえば、スマートグラスやARグラスをかけることで仮想のデスク環境をもとに業務を進めることができる「バーチャルデスク」や、VR-HMDを装着することで仮想のオフィス空間に勤務できる「バーチャルオフィス」などは、すでに実際に使い始めている企業もあるほどです。

AR・VRを使ったテレワーク。非接触 × 遠隔での業務実施は、どこまで可能になっているのか

現場ワーク支援

また現場ワーク支援としては、ARグラスなどのAR技術を活用したソリューションが考えられます。たとえば造園業や建設業、工事現場といった「実際に現場に行って作業を行う系」の仕事においては、現場作業員がARグラスなどを装着することで、熟練技術者による遠隔支援を通じて現場作業員が1名で対応できる体制を構築することができるでしょう。また、実際の風景と重ねてマニュアルを表示できる仕組みによって、ハンズフリーな作業の実現にも寄与します。

スマートグラスやARグラスで遠隔支援を実現。各業界の活用事例を解説
新たなる「技術・技能伝承」手法として注目されるAR/VRソリューションについて解説
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以上のとおり、AR/VRを活用することで、勤務者は以下のメリットを享受でき、コロナ禍におけるニューノーマル対応を加速させることができます。

  • 物理的な制約を受けない
  • ハンズフリー&音声操作&視界共有
  • よりリアルなコミュニケーションの実現

ワーケーションでもAR/VRを活かす

なお、コロナ禍で注目度の高まった働き方「ワーケーション(Workation)」においても、AR/VR技術は有効です。たとえば2021年3月にMicrosoftが発表したMRプラットフォーム「Microsoft Mesh」では、会議や開発作業などについてアバターによる共同活動ができるようになる世界像が描かれており、遠隔参加がスタンダードであるワーケーションでの活用が期待されています(2021年7月時点では、まだ開発者向けの提供だけ発表されています)。

ワーケーションでAR/VRを活用!生活と働きかたをより豊かにするxRな生活を解説
MRの世界を変える!?新プラットフォーム「Microsoft Mesh」とその可能性を解説

これからはAR/VRを前提とするサービス開発が必要

今回はコロナ禍におけるAR/VR技術の活用について解説しました。日常生活とビジネスシーン、いずれにおいてもニューノーマルな社会に向けて活用が進んでいるからこそ、数年後にはAR/VRによるサービスが提供されることを前提に、事業戦略を考えるべきだと言えるでしょう。

何から始めれば良いかわからない、という担当者は、ぜひアウトソーシングテクノロジーまで気軽にご相談ください。

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