各産業での利活用が進むxRに高まる期待感!XR総合展・秋レポート

Technology
2021.11.30 | Motto AR編集部

2021年10月27~29日に千葉県・幕張メッセで開催された、「第1回XR総合展秋」(以下XR総合展)。こちらのイベントでは、VRやAR、MRの技術を用いた数多くのサービスが集結しました。
本記事では、XR総合展で取材した、最新技術を活用した展示の一端をご紹介します。

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2021年10月27~29日まで、千葉県・幕張メッセで「第1回XR総合展秋」(以下XR総合展)が開催されました。様々な最新技術が展示されるNexTech Week 2021秋の一環として、VR、AR、MRの技術を用いた数多くのサービスが集結したイベント。折しも日本時間29日の未明に、Facebookが社名をメタバースのメタ(Meta)に変える、VRとAR分野に注力していくと発表したこともあってか、多くの人々が来場していました。

もともとVRはゲームコンテンツとの親和性が高く、ARはスマートフォン&タブレットを用いることで誰でも機能のメリットを享受しやすいこともあってか、コロナ禍に入るまでのxRは、エンターテインメント市場での活用例が中心でした。

しかし思うように人と会うことができない日常となったこと、そして高速・大容量・同時多数接続が可能な5Gの時代となったことで、xRは製造・建設・医療などさまざまな分野でより活用されていく技術となりました。XR総合展で取材した、最新技術を活用した展示の一端をお伝えします。

xRのビジネス活用を支援するVR・MRプラットフォーム、NTTデータNJK「STYLY.biz」

NTTデータNJKが展示していた「STYLY.biz」

NTTデータNJKが展示していた「STYLY.biz」は、xRをビジネス活用するために必要となるサービスがパッケージされたxRトータルソリューションサービス。Psychic VR Labが開発したSTYLYの技術を用いて、NTTデータNJKが構築したものとなります。

たとえば企業のショールームをバーチャル上に置く際の空間製作は、各種3Dモデリングソフトのほかフォトグラメトリーのデータを扱うことも可能。リアリティを強く感じさせる展示も可能です。

1つのバーチャルショールーム内への同時参加人数は数十人。同時参加している人同士での会話も可能ですし、別途用意されたミーティングルームでは会話の内容を自動的にテキスト起こししてくれる機能もあり、会議がはかどるでしょう。

STYLY.biz最大のポイントとなるのが、スマートフォンでも参加できること。VR・MRヘッドセットを用いると強烈な没入感とともに、展示物に近寄って細部まで見ることが可能ですが、現在の機材は大きく重く、日常的に持ち運べるものではありません。しかしいつも手元にあるスマートフォンでのアクセスが可能であれば、自宅だけではなく移動中やワーケーション先からもバーチャル上に集まりやすくなります。

STYLY.bizにはほかにも、リアル空間にバーチャルオブジェクトを配置して見る機能などがあり、AR内見ができるとして不動産業界で活用されているとのことです。

「感覚」を視覚化し、技術継承を支援する「Craftman(MR)」

覚化し、技術継承を支援する「Craftman(MR)」

エステに関する技術やノウハウの講習を行っているオプティカルボルテックス東京のブースに展示されていたCraftman(MR)は、マイクロソフトのHoloLens(MRヘッドセット)を用いることで、人体の温度を可視化・共通認識化。ツボが集まる冷えやすいエリア全体が温まったことで感じる気持ち良さを、エステティックの効果があることを視覚的に見えるようにして、感覚的な技術を学べるシステムとなっています。

言語化したとしても理解しにくい技術を、短時間で本質を伝えられるようにする。後継者の育成に悩みをもつ職人業の市場に有効活用される技術だと感じました。

製造業向けxRシステムをノーコードで構築できるカスタムXR開発ツール「Interact」

製造業向けxRシステムをノーコードで構築できるツール「Interact」
XRトレーニング体験

続いて、アスクのブースに展示されていた、「Interact」のカスタムxR開発ツールもご紹介しましょう。製造業におけるxRアプリケーションに表示されるデータは、Unityなどの3Dゲームエンジンが使われます。

UnityはPlayStation5用のゲーム開発でも使われています。つまり、最新ゲームが作れるほどの数多の機能をもつゲームエンジン。しかし現状のxRシステムにおいては、細部の動きまでリアリティを求めるようなことはなく、むしろ認識しやすいようにわかりやすい動きが求められています。

そこでInteractは、Unity上で稼働する製造業向けUnityアプリケーション開発システムとして作られました。剛体・弾性体といった素材の違い、ジョイント、干渉検出といった物理的挙動の定義や、ノーコードでVR環境上でのパーツ選択や移動先の定義ができるよう、xRアプリケーションを比較的手軽に開発できるようにサポートしてくれます。

Interactがあれば仕様変更による部品形状・点数の変更などにも、スピーディに対応しやすくなるでしょう。

渋谷PARCOがxRで挑む店舗のアフターデジタル

株式会社パルコ執行役員兼パルコデジタルマーケティング取締役、及びアパレルウェブ取締役の林直孝さん

実際にxRの技術やサービスはどのように活用されているのでしょうか。株式会社パルコ執行役員で、パルコデジタルマーケティング取締役、及びアパレルウェブ取締役の林直孝さんの講演が開かれました。

古くから渋谷PARCOは、日本におけるカルチャーの発信地でした。アート、音楽、ファッションを好んできた人にとって、渋谷PARCOからの情報発信はなくてはならないものでしたし、渋谷PARCOで買い物することが1つのステータスだとも感じていました。

しかしアフターデジタルの現在。林さんは「足元商圏から手元商圏へと移り変わった」といいます。スマートフォンでのECショッピングが当たり前となり、時間と空間の制約がなくなりました。

そこでスマホアプリを活用。接客のスペシャリストとテクノロジーを組み合わせることで、来店前・来店中・来店後とずっとショッピング体験が続くようにしたことで、お客様ごとの満足度不満足度が見えてきたそうです。

今後の展望もお話されていました。いわく、スマートフォンからスマートグラスが普及することで、店舗の作り方が変わるだろうと。従来は店舗設計にコストをかけていましたが、ARグラスが普及する時代は店舗の壁などをバーチャル展示が可能なスペースとして活用できることが考えられます。

渋谷PARCOでも、工事時のアートウォールをリニューアルオープン後もARで見ることができるような展示を行い、時間をさかのぼった表現が可能だということをアピール。またや吹き抜けスペースを用いてARによるCGアート表現にもチャレンジしています。

さらには、お客様ごとのパーソナライズされた情報に合わせたバーチャル展示が可能になるとのこと。特殊な施設じゃないと難しかった展示が、ARグラスを用いることで提供が可能になる。街に行くという楽しみがxRで拡張されていくと語られていました。

リアルファーストからバーチャルファーストへ。新しい経済空間に大きなイノベーションが生まれる可能性

Thirdverse Founder/代表取締役CEO 國光宏尚さんと、グリー 取締役 上級執行役員/REALITY代表取締役社長の荒木英士さん

「リアルとデジタルをつなぐメタバースの可能性」と題した講演では、Thirdverse Founder/代表取締役CEO 國光宏尚さんと、グリー 取締役 上級執行役員/REALITY代表取締役社長の荒木英士さんが登壇されました。

お二人の共通認識としては、「メタバース=VRヘッドセットをかぶって体験するものだけではない」ということ。現実世界と平行にある仮想世界であり、スマートフォンからでもアクセスできることを重視しています。

荒木さんは「オンラインでのコミュニケーションにみんなが慣れてきた」といいます。TPS(サードパーソン・シューティングゲーム:操作するキャラクターを追う第三者視点で戦う戦闘コンピューター・ゲーム)・フォートナイトの例をとっても、世界中で何億人もがボイスチャットをしながら遊んでいるいまの時代だからこそ、メタバースを理解しやすく伝えることが重要なのでしょう。

メタバースのキーとなるのがアバターです。Facebookなどは丸いアイコンで個人を認識できましたが、それはスマートフォンの画面で見ていたから。表示エリアが拡大するVRやARでは、アバターで話すことが自然に感じられるとのことです。

國光さんは「VR、AR、メタバース、ブロックチェーンが本格化してきた」ことで、「これらが最終的に交わった先のイノベーションは、インターネットが生まれたときと同じインパクトになるかもしれない」といいます。

いままではリアルファーストでしたが、バーチャル空間が主となる時代は、バーチャルアバター、バーチャルスニーカー、バーチャル土地といったデジタルデータがNFTでやり取りされるようになる。さらに限定商品で価値が上がるものとなれば新しい経済空間に大きなイノベーションになるかもしれません。

いずれも、仮想世界を体験するインフラが整ってきていることを知っているお二人だからこその発言でしょう。

今後のxRビジネスに目が離せない

今回のXR展示会は、xRのビジネスにおける将来性を改めて実感するイベントでした。

製造業から小売業まで様々な産業で取り入れられようとしているxRは「楽しむ」だけではなく、「なければ困る」ような技術となっていく未来が予測されます。

今後もあらゆる産業において、xRを活用したサービス・取り組みが展開されていくことでしょう。

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